ストックホルムの郊外で 夢見たエコライフ生活
2016/02/24
今や世界のエネルギーのメインストリームとなった再生可能エネルギー。 スマートエネルギーのテストプラットフォームとして建てられた家を買ったヨーゲンショー一家を取材。それは「究極にエコなライフスタイル」への旅の出発点だった。
ストックホルムの郊外で
夢見たエコライフ生活
ヨーゲンショー一家は環境保護にとても熱心な家族だ。ひと昔前、「環境に優しい生き方というのは、『エコ・オタク』のような限られた人だけが実現できるものだ」と半ば諦めていたが、2年前にストックホルムの郊外・ヘッセルビーに「プラス・エネルギー・ハウス」を購入したこと、彼らが夢見たエコライフスタイルをすぐに手に入れることができたのだという。
この家はスウェーデンの有名建築家・ゲルト・ヴィーンゴルトによるカスタムメイド。南側のファサードと屋根には、ソーラーパネルが自然にデザインの一部として馴染むように備え付けられている。
「この家がどのぐらい電気を創り、僕たちがどのぐらい消費しているのか……電気を毎日チェックすることで、今の暮らしがどのくらい環境に優しいかを考えるようになる。まるで、より持続可能な生き方をするように自分自身と競っているような感じ」(ジョン/家主)。
家族の生き方についても
考えるきっかけにもなった
リサイクルをしたり、環境に優しい食べ物だけを食べるようにしたりしても、そのようなライフスタイルにおける環境貢献の結果をハッキリとした数字で見ることはできない。しかしソーラーパネルがあれば、どのくらいエネルギーを節約したかをすぐに見ることができる、とジョンは実感している。
「近所の人はみんな我が家に興味があるみたいだね。ソーラーパネルによって節約できた金額を聞くと、彼らも自宅にソーラーパネルを設置したいと言っているよ」。
ジョンたち一家にとって、この家を購入したことは、持続可能な生き方、家族の生き方について考える自然なきっかけにもなった。その結果、彼らは、飛行機での旅行を避けるようになり、現在、車の所有もしていないという。
「ぜんぜん不自由じゃないよ。むしろ車に乗ることは、環境に優しい私たちの家が、もたらしてくれることがすべてダメになる気がしたんだ」(ジョン)。
移動の為のエネルギーは
全て自分でつくる
その代わりに彼は、自転車に電動アシストをつけることを考えた。
「私の息子・ニルスは私と一緒に自転車に乗って、スーパーマーケットに行くのが日課。ラッシュ時にストックホルムへ通勤するときも、ノロノロ運転の車より時速20kmは速い(笑)。
電動アシストの電力はすべてソーラーパネルから賄っているから、移動のためのエネルギーは全て自分でつくっているんだ。とっても素晴らしい気分だよ!」。
撮影・取材・文/マッティン・エケリン
※『SOLAR JOURNAL』vol.14 より転載