社会・環境

311を未来へ繋げる「Peace On Earth2015」 新たな一歩の全容をレポート

2015年3月7日(土)と8日(日)、11日(水)の3日間、東京・日比谷公園(11日は代々木公園)では、東日本大震災の復興支援やエネルギーの未来を考え共有する市民の集い「Peace On Earth2015」が開催された。

4回目となる今回は、「つづく未来へ つながる」をテーマに開催され、総勢29組のアーティストと約60組の企業・団体が参加した。

初日と2日目は小雨が降るあいにくの空模様となってしまったが、会場には10代・20代の若者や親子連れ、中高年層など様々な世代の人々が集まった。会場内に設けられた来場者のメッセージ共有スペースでは、「震災を忘れない」という強い思いが込められたメッセージがいくつも見られ、復興やエネルギーの未来についてそれぞれの言葉が刻まれていた。ポストカードを熱心に見つめていたある女性は、福島県に友人がいると話し「仕事があったりして頻繁に福島に行くのは難しいけど、こうしてイベントに参加することはできる。自分にもできることがあるならやっていきたい。」とイベントに参加した経緯を語ってくれた。

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初日・7日のメインステージでは、the HIATUSの細美武士氏とISEP 環境エネルギー政策研究所の飯田哲也氏、古屋将太氏によるトークセッションが行われた。かねてより古屋氏に会いたかったという細美氏は、トーク開始直後から古屋氏を質問攻めにし、自然エネルギーの未来について意見を交わした。トーク終盤、「自分がやることは明確」と切り出した細美氏は、「何が正しいというのは数で決まるわけではない。圧倒的多数の意見を前に、自由な心を失う人たちが少しでも減ればと思って音楽をやっている」と自身の活動を語った。また、トークセッションについては「再生可能エネルギーを推進する運動の信用性が高いっていうのがわかって嬉しい」と笑顔で成果を報告した。

更に多くのアーティストが集まり盛り上がりを見せた8日のステージのトリには、ASIAN KUNG-FU GENERATION、BRAHMAN、Hi-STANDARD、the HIATUSのメンバーに似ていることで話題のバンド「エセタイマーズ」が登場。会場いっぱいに集まった観客たちと想いを共有しながら「一人が頑張ったって、仕方ない。みんなでやらなきゃ。」と、市民が意思表示を行い自分事として行動する必要性を語った。

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11日には会場を代々木公園内に移し、被災地に黙祷を捧げる追悼セレモニーも行われた。
セレモニーでは、ミュージシャン・佐藤タイジとLUNA SEAギタリスト・SUGIZOによる初のセッションが行われ、「Rest in Peace&Fly Away」「もう一度世界を変えるのさ」の2曲が披露された。セッションを終えたSUGIZOは、311から繋がっていくこれからの未来について「子供が安心して暮らせる社会が一番の理想。」と語り、「大事なのは目先にある自分の心地よさや裕福さではなく、次の世代、未来に大事なものを残すことを意識しながらこの瞬間を生きるということ。これからも僕たちが団結して、世の中を良い方向に変えていかなければならない。」と思いを伝えた。

震災から4年が経つ今、「Peace On Earth」を通して、アーティストや団体・企業をはじめ集まった全ての人々が改めて被災地の現状や問題を共有し、311を未来へつなげる新たな一歩を踏み出した。

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Peace On Earth(ピースオンアース)
http://peaceonearth.jp/


撮影/計良治近、古川大輝
文/前野紗弥香

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