食・農活

千葉県八街市で収穫! 週末菜園クラインガルテン

家庭菜園を楽しむ人たちの間で、「クラインガルテン」という言葉が随分定着し始めている。日本では「滞在型市民農園」と訳されるが、「小屋付きの菜園」で滞在しながら休日を過ごすライフスタイルを含む。今、千葉県ではその生き方をさらに進化させるようなユニークな活動が始まっている。

落花生の名産地である千葉県八街市。都心からのアクセスも比較的容易なこの街で、今年産声をあげたばかりの「Why nuts?(ワイナッツ)」。ホームページを覗くと、〝都市型ライフスタイルの鮮度を高めるプロジェクト〞とある。プロジェクト……?ぐずつく天気が続く9月の、運良く一時の晴れ間に恵まれたある日、代表の小藪さんを訪ねた。

「一人でも多くの人に土に触れる機会を持ってもらいたいなぁと考えていて、私個人の実感から、それは人をとても豊かにするものだと信じているんです」。聞けば、元々ここは東京のレコーディング会社がクラシック等生楽器の録音スタジオとして木造したそうで、オープンキッチン付きの開放的なリビングスペースの奥には本格的な音楽ホールがある。初めて訪れた人は誰もが驚き、目を輝かせてくれるという。

「Why nuts?は食と音をテーマにしていて、これまでは、個人や団体のイベント開催、企業研修などにも活用して頂いています。もちろんレコーディングスタジオとしてお貸しすることもありますよ。利用する方も、迎える私たちも、毎回この場所の新たなポテンシャルを発見しながらって感じです」。

そんな小藪さんには、別の本業の顔がある。地元八街市で父親の代から続く不動産兼建設会社の社長さんでもあるのだ。

「今やってることも、不動産屋としての本質を追求する旅のような気がしています。本来の不動産屋って、ちゃんと土地の価値を見立てられる人なんです」。

なるほど。いわゆる理想論としてでなく、ちゃんと土地や建物、あるいは暮らし方の様々な現実的問題点を踏まえた上で〝絵(=土地活用のイメージ)〞を描ける人、ということか。

「やっぱり今の時代、ハードだけでなく、ソフトをどう加えるかだと思うので、すごく手間も時間もかかりますけど、賛同して下さる地域の方々や仲間と実験的に試している側面もあります」。

そんな小藪さんとWhy nuts?が目指すこれからの理想の姿とは、地域全体が「アグリリゾート」としての顔を持つこと。そして、そのコンテンツを地域外にも提供したいという。そのためには、アグリツーリズモの形で農家民泊などを地域に増やしていきたい……なんとすでに、民泊開業サポート事業までスタートさせているという。

<大きな窓から気持ち良い日差しが降り注ぐ、窓の外はのどかな風景が広がる。>

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2000/08/19 | 編集部からのお知らせ

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