名刺用紙がバナナ!? 注目のバナナペーパーって?
2017/02/08
現地の人はスタッフではなく
一緒に世界を変える仲間
末吉さん そこから5年でここまでかたちになっているなんて素晴らしいですね!
ペオさん 慈善や寄付ではなく「一緒に世界を変えるための事業をつくる」というスタンスで取り組んでいるからだと思います。繊維の作り方すらわからないところから、バナナの茎を叩いたり踏んだりして「こうやったらとれる」「こういう道具がいいんじゃないか」と試行錯誤したことで、みんなの力を最初から集結できました。
末吉さん 8000坪の土地を購入され、事業を拡大する展望とお聞きしていますが、課題になっていることはありますか?
ペオさん やはり資金の問題は常に頭にあります。第一ステージの300万円は、自分たちの貯金とクラウドファンディングで。第二ステージは商品の売り上げ。第三ステージとして、日本大使館の助成金に採択されました。このお金で2棟の建屋をつくり、バナナ繊維100%の手すきを始めます。
育ってきた市場をさらに広げていくために、バナナ繊維5%FSC認証パルプ95%の新商品を開発し、価格を一般的な紙の3〜4倍に抑えました。
雇用の確保とバランスを取りながら機械を導入して生産性を上げ、将来的にはある程度一般的な紙として流通できるようにしていきたいですね。
末吉さん 消費を抑えつけるのではなく、商品の大元を変えることで一気に変わっていく。バナナペーパーが、世界を変えると確信しているし、その一部になりたいとますます思いました。
末吉里花氏
一般社団法人エシカル協会代表理事。
TBS系『世界ふしぎ発見!』のミステリーハンターほか、司会や、レポーター、モデレーターもこなす。フェアトレードを中心に活動を展開し、日本全国の企業や高校、大学などで講演、各地のイベントでトークショーを行う。
ペオ・エクベリ氏
ワンプラネット・カフェ 取締役・環境マネージャー/スウェーデン出身。日本全国でサステナビリティをテーマとした講演・コラム執筆を行う。
エクベリ聡子氏
株式会社ワンプラネット・カフェ 代表取締役社長。
15年以上にわたり、企業の環境ビジョン・戦略策定支援などを通した持続可能な世界の実現に取り組む。
photo:Miho Fujiki text:Aya Asakura
※『EARTH JOURNAL』vol.1より転載