食・農活

有人気観光地「有馬温泉」の失われし伝統料理が復活!

一般社団法人スローフード日本の設立を機に日本を訪れた、スローフードインターナショナルのパオロ・デ・クローチェ事務局長の旅に密着。“足元の自然から立ちのぼる食文化”在来スパイス「有馬山椒」復活の物語。

シトラス香る有馬山椒
伝統復活の足音

有馬温泉では、かつて多くの旅館主が六甲山中で採集した有馬山椒を使った料理で客をもてなしていた。人が山に入ることがなくなり、いつしか途絶えていた「有馬山椒」の伝統。これを復活させる取り組みでイニシアチブをとるのは、有馬温泉の旅館「陶泉御所坊」十五代目当主の金井啓修さんだ。

有馬山椒の希少なストックを手にしたパオロ事務局長と、陶泉 御所坊 第15代当主 金井啓修さん。

「御所坊に代々受け継がれてきたレシピ帳にある、有馬山椒を使った料理を再現したい、と考えたことが始まりです」と話す金井さんは六甲山中で有馬山椒の木を探し出し、木の先端部分を採取し保全した。

レモンのような香り成分シトロネラールを多く含み、さわやかな香りが特徴の有馬山椒。

苗木の育成と担い手の開拓を請け負う農家藤本喜郎さんは、これまでに苗木150本を配布。今後2年でさらに500本を配る。「農業を食べていける仕事にするためには、付加価値の高い作物をつくらなければなりません。有馬山椒は、他の山椒との味や香りの違いに値打ちがあり、単価はふつうの山椒の2倍です」(藤本さん)。地域の食を守る人々が手を取り合い、有馬山椒復活への歩みを着実に進めている。

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