都市農村交流が実現! アースデイマーケットって?
2017/01/26
買い物のその先へとつながる「窓」のような場所をつくりたい。アースデイマーケット実行委員会事務局長の富山晋さんが語る、ファーマーズ・マーケットへの想いとは?
──この東京朝市アースデイマーケットのコンセプトとは?
実行委員会の団体のひとつ特定非営利活動法人アースデイマネーアソシエーションは、15年ほどにわたり「アースデイマネー」という地域通貨の普及に取り組んでいます。このマーケットが始まる2006年の時点で、実は様々な社会課題が見え始めていたんですね。地域通貨が使えるところがあるといっても散発的で、ちょっとバラバラしていた。もっと地域通貨のインパクトをちゃんと伝えられる、地域通貨の使い勝手がいい場所を作る事で、ダイナミックな動きを生み出したかった。
かたや、実行委員会に参加するもうひとつの団体、NPO法人トージバでは、有機野菜の販売について課題を抱えていました。そもそも有機野菜は地方では全然売れない。地方では有機野菜を食べたければ自分で作れるし、もらえるし、交換もできる。わざわざ誰も買わないわけです。
じゃあ、地元で売れない野菜をどこで売るかと言うと、近くの大都市ということになる。東京は一大商圏ですから、買いたい人も売りたい人もいる。ただ、売り買いだけじゃなくて、農家さんが直接言葉で伝える事が出来て、お客さんもそれを直接確認できる場所がないとダメだなと。しかも、来てもらうだけではなく、そこから都市の人を農村に送り出す「都市農村交流」が果たせる場所を作ろうってことで、このアースデイマーケットが誕生したんです。
──援農活動にも取り組んでいますよね?
2009年から、「週末農風」という援農活動を行っています。これはアースデイマーケットに参加してくれている農家さんのところ
にお手伝いに行くんですが、3月〜11月くらいまで、毎月1〜2本のペースで、最近では、千葉、茨城、栃木、山梨、静岡の農家さんのところに行っています。
正直な話をすると、アースデイマーケットで10回買い物をするよりも、1回農家さんの所に行く方が、遥かに理解度が高まるんですよ。もちろん、アースデイマーケットにきて農家さんとお話するのは、本を読むよりは遥かにましだと思うんですけど(笑)。だから、ここ(マーケット)は、”窓”みたいなものだと思っています。ここをきっかけに農家さんのところに行って欲しい。それが実現して、初めてこのマーケットが役に立ったと思える感じですね。
Photo: Masahiro Ihara
Text: Moriyuki Hatayama (Partisan)