東京五輪で採用? エコ建材greenbizに注目
2016/10/27
2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向け、多くの競技場や関連施設が建設されるが、その建築物で採用が期待される建材に「greenbiz」の名前が。greenbizって一体なに?
工場での廃棄物を原材料にした
保水性・親水性に優れた建材
2020年に開催される「東京オリンピック・パラリンピック2020」の建物に、エコ建材「greenbiz」の採用が提案されている。
「greenbiz」は繊維染色メーカーの小松精練が、日々排出される染色工場での廃棄物をリサイクルして開発した発泡セラミック素材。省エネルギー性を持ち、空調負荷の削減によりCO2の削減につながるエコ素材だ。
greenbizの原材料は、小松精練の工場から排出される余剰バイオマスケイク(余剰微生物を含む汚泥)と粘土、地元産の珪藻土、鋳鉄スラグなど。これを1000℃以上の高熱で焼成することで、無数の小さな孔を持つ基盤ができあがる。その孔に水や空気を含むことで、緑化システムや舗装ブロックなど、さまざまな場所での活用が期待されている。
また、高い保水性・浸水性から、東京のような大型都市が抱えるヒートアイランド現象やゲリラ豪雨の対策にも有効だ。
屋上緑化の基盤材や不燃外断熱材、防水層保護など多用途な「greenbiz R」。1,000m²で12t以上の保水力があり、ゲリラ豪雨時の排水対策の他、打ち水効果でヒートアイランド現象を緩和する。(写真:千葉県 船橋市 船橋整形外科病院)
舗装用ブロック「greenbiz G」。従来の保水ブロックの1.5倍以上と、大幅に保水力を向上。透水性能にも優れ、水溜りもできにくく、人が集まる場所に最適な素材。(写真:東京都 墨田区 錦糸町ステーションビル テルミナ)
グリーンビズを植栽基盤として、棚状に配置したルーバー型の壁面緑化システム「greenbiz L」。植物の繁茂が少ない時期でも、ルーバーが空間をすっきりと演出。(写真:石川県 小松市 コマツ粟津工場)
greenbizは既に、建築家 隈研吾氏の設計した「カフェ・クレオン」やミラノ万博の日本館、学校や病院などで導入されており、自然と調和した景観と室内空間の快適性を生んでいる。
東京オリンピック・パラリンピックは厳しい暑さが予想されている。このエコ建材greenbizが採用されれば、選手も観客も快適なオリンピックが送れるだろう。