オーガニックコットンで起業。その成功の秘訣って?
2017/01/23
続けてきたからこそ
得られた生産者の声
S 起業してから軌道に乗るまで苦労したことはありますか?
M オーガニックコットンはインドで作っているのですが、最初の頃はインドの人たちの文化や考え方がわからず衝突は当たり前。日本でも理解が得られず、〝私がやっていることに何か意味があるのだろうか?〞と、自問自答してきました。創業から〜3年は利益もほとんど出ない状況でしたし。
S そんな中でも、続けてきた理由は何ですか?
M ほかに情熱を注げることがなかったから(笑)。農家の人に話を聞くと、農薬を使わなくなって肌の病気が治ったというような方がたくさんいるんです。そういう声を聞くと続けてきてよかったなって、心から思えるんですよね。
S GreenTeeが今後目指しているのはどのようなことですか?
M 〝新しく何かを作りませんか〞って提案ではなく、〝今、作っている製品の素材をオーガニックに変えませんか〞って提案をあちこちでしていきたいと考えています。あとは、アートキャンバスをオーガニックコットンで作るという動きがあります。〝アクリル絵の具やオイルペイントを乗せていいの?〞という質問もよく受けるのですが、マイナス3がマイナス2になるだけでもいいじゃないですか。向いている方向は、それで間違っていないと思うんです。
[撮影協力]中目黒ビオキッチンスタジオ
中目黒駅近くのオーガニックカフェ&キッチンスタジオ。イベントやレッスンなどといった、環境への配慮や持続可能な社会づくりを目的とした情報発信の場としても注目が集まっている。こちらで末吉さん主宰のフェアトレードコンシェルジュ講座も開催中。
丸野朝子
Asako Maruno
1971年東京生まれ。大学卒業後、日米の芸術家を助成する仕事に携わった。その後、「オーガニック」をキーワードにパタゴニア日本支社に転職する。ここで自然や環境にまつわる多くを吸収し、より幅広くオーガニックコットンを広めることを目的に、2003年にGreen Teeをスタート。オーガニックコットンの素材屋となる。
末吉里花
Rika Sueyoshi
環境キュレーター/フリーアナウンサー
TBS系『世界ふしぎ発見!』のミステリーハンターをはじめとしたメディアでの活動のほか、オーガニック・コンシェルジュ、フェアトレード・コンシェルジュの資格を活かし、司会、コーディネートや、環境問題に関わる活動も幅広くこなす。「1% for the Planet」や「ピープル・ツリー」のアンバサダーとしても活動中。
撮影/氏家岳寛
文/井上晶夫