Negiccoが巻き起こす! 地方創生
2016/05/30
活躍の場を全国に広げても、地元密着型アイドルであり続けるNegicco(ねぎっこ)。「地域で一番」を強みに全国へ飛び出すその姿勢は、地方創生のお手本!?
「ご当地アイドル」として
結成7年目のグランプリ
地元を盛り上げる施策として、新たな特産品やキャラクター、ヒーローなど様々なものが誕生している。なかでも、「戦国時代」とも言われるほどに全国各地で盛り上がりを見せているのが、「ご当地アイドル」だ。地域に密着した活動を行い、ファンとの距離が近いことが大きな魅力とされているご当地アイドル。そして今もっとも注目されているのが、新潟県のNegiccoである。
新潟生まれ、新潟育ちの3人組J-POPアイドルNegiccoは、地元の特産品「やわ肌ねぎ」のプロモーションのために1ヶ月の期間限定で結成されたはずが、活動歴は今年で12年。「マイペースでほんわかとした雰囲気が癒やされる」と、子供たちから年配方々まで幅広いファンに愛されている。2010年に「U.M.UAWARD全国大会」でグランプリを獲得し、活動の幅を東京でのワンマンLIVEや全国TVCMへの出演などに広げてきた。今年夏には12周年を記念した野外フェス「NEGI FES」を成功させるなど、目覚ましい活躍でその人気はもはや全国区だ。
期待を背負っての活動継続
葛藤と、地元のチカラ
Negiccoは2003年、地元の芸能スクールから選ばれたメンバーで結成。メンバーの卒業や、活動母体だった芸能スクールが解散するというピンチも乗り越えて活動を継続。そんな3人を支えてきたのは、他ならぬ地元のファンだ。
メンバーのNao☆さんは、「活動を始めた頃は、“ご当地アイドル”という位置づけには不安があった」と当時を振り返る。「アイドルとして高みを目指すなら、東京へ出るべきでは? と思った時期もありました。でも、新潟で継続的に仕事がある環境をつくってもらえて、CM出演など仕事の幅も広がって知名度が上がり、グランプリをいただいた頃から、地元の方に『新潟を背負って頑張ってね』と言ってもらえるようになった」(Nao☆さん)。地元のファンとの触れ合いを大事にすることで、彼女たち自身もチカラを貰ってきた。3人は「信じてやってきてよかった」と口を揃える。
2013年3月に、新潟県から「にいがた観光特使」に選ばれた彼女たち。最近では、「Negiccoがいるから新潟に行く」という旅行者が増え、CDジャケットのロケ地めぐりをするファンもいるなど、観光振興に貢献している。「私たちが全国に出て行くことで、新潟のいいところをもっとアピールして、観光で人がたくさん来てくれる県にしたいなと思います」と意気込みを語る3人は、アイドルとしての夢を持ち続けながら、新潟を拠点とした活動を続けている。
2015年5月、初のワンマンツアーの最終公演は、あこがれの新潟県民会館大ホールにて開催。Negicco史上最多の1600人のファンが集まった。
新潟を拠点に活動を続けるNegicco。新潟市の繁華街である古町にて毎年行われているイベント「古町どんどん」では、会場となる商店街がNegiccoファンで溢れかえる。
Negicco
Nao☆、Meguによる3人組J-popアイドルユニット。2014年「光のシュプール」がオリコンウィークリー5位を獲得。今年は初の全国ツアー(17ヶ所)を実現した、今乗りに乗っている新潟発ローカルアイドル。
撮影/桑村ヒロシ 取材・文/浅倉彩