グリーンパワー大学2014開催! 再エネ事業成功へ
2015/01/05
12月20日と21日の2日間、国内の再生可能エネルギーについて考える「グリーンパワー大学2014@東京大学」(主催:東京大学・経済産業省資源エネルギー庁)が、東大駒場キャンパスで開催された。
2013年7月より、経済産業省が「日本グリーンの力でうごかそう。」というコンセプトのもと、再生可能エネルギーを通じて未来の日本を創る「GREEN POWERプロジェクト」を開始。再生可能エネルギーを「知る」「体験する」「事業として取り組む」プログラムを実施してきた。その中で、東京大学などと協力し、再生可能エネルギー分野における人材育成のための指標作成に取り組み、その成果を発表する場となった。
スピーカーには、各地で再エネを使ったビジネスに取り組んでいる事業者やNPO関係者、研究者らが選ばれ、基調講演、パネルディスカッション、テーマ別の分科会、ワークショップを実施。日本における再エネムーブメントの現状を知り、地域・金融・ライフスタイル・人材など幅広いトピックについて発表された。
「ビジネスmeets志、志meetsビジネス」をテーマにしたパネルディスカッションでは、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局参事官の村上敬亮氏がモデレーターとして、またパネリストとして、岡山県真庭市の集成材メーカーで木質ペレットのバイオマス事業に取り組む銘建工業代表取締役の中島浩一郎氏、Webマガジン「greenz.jp」を発行するgreenz.jp代表の鈴木菜央氏、地域と再エネの関わりを研究している東大教養学部環境エネルギー科学特別部門客員准教授の松本真由美氏、「地域主導型再エネ導入」に尽力する早稲田リーガルコモンズ法律事務所の水上貴央氏が出席した。
今回の主眼は、地域の再エネ事業において「志」と「ビジネス」をどうすれば両立できるかだ。ドイツは市民エネルギー協同組合という形で法人格が認められており、地域住民が発電事業の主体になれる素地がある。一方、日本では株式法制は自由度が高いが、自己資本比率が高い業者にしか融資しない銀行も多い。
そうした理由から、例えば地域住民が再エネの会社を作ったとしても、日本では自治体の補助金など資本的な裏付けがないと運営が難しいという。
「志」だけでは「ビジネス」としての地域再エネ事業は成功しない。自治体(公共セクター)を巻き込み、銀行へ提出する事業計画書に発電や経営のプロがいる事を証明する必要がありそうだ。
グリーンパワープロジェクト
http://www.greenpowerproject.jp
Text>>大根田康介