私たちが、自然にやさしい電気を選ぶ理由
2017/03/31
日本はいま、私たち国民がどのようなエネルギーを選ぶかによって、未来が大きく変わる重要な時期。一足先にグリーン電力に切り替えているLUSHと、自然エネルギー100%電力を販売するGREENaの事業責任者に話を聞きました。
電力も、価格以外の
価値を見つめ直す時代へ
――現状の日本の制度では、FITを利用した再エネ由来の電気はいちど発電事業者から送電会社に買い取られます。その後電力取引市場に出される時点で、再エネ以外の電気と混ざった状態になっているため、小売電気事業者は「自然エネルギー由来だけの電気」を買い取ることができません。ですがグリーン電力証書を用いると、自然エネルギーによって発電された電力と同等の電力を使用していることになるのです。グリーナでんきの「GREENa RE100プラン」では、この仕組みを活用し、100%自然エネルギーのプランを実現しました。
今回は、この「GREENa」を立ち上げたネクストエナジー・アンド・リソースと、グリーナでんきを店舗で使用しているLUSHの事業責任者にお話を聞きました。
株式会社ラッシュジャパン 中多裕幸さん:初めてお会いしたのは、「電力小売り全面自由化」がスタートする前の2015年でしたね。あれから1年以上経ち、日本のエネルギー環境は大きく様変わりしました。
ネクストエナジー・ アンド・リソース株式会社 津崎荘平さん:LUSHさんはお会いした頃すでに、工場で使用する電気を新電力にスイッチされ、店舗で使用する電力について真剣に模索されていましたよね。
中多:持続可能な社会の実現を目指して活動しているLUSHにとって、サステナビリティは最優先事項です。私たちが作る商品はすべてこのようなエシカル(倫理的)な視点で原材料を選んでいますから、当然、同じように電力の原材料(発電方式)にもこだわりたかったんです。
株式会社ラッシュジャパン 中多裕幸さん
津崎:実際、消費者の方々からするとわかりにくい部分がまだまだ多いようですね。
中多:本当にその通りです。津崎さんにお会いしたおかげでLUSHでも、去年8月から池袋駅前店など2店舗をグリーン電力へパワーシフトできました。今レジ奥の壁に「グリーン電力証書」を飾っています。
津崎:LUSHさんがお客様との最大のタッチポイントである店舗でグリーン電力を選ばれたことは、電力の切り替えに関心を持つきっかけになりますね。
中多:「グリーン電力証書」を見られたお客様から「グリーン電力って何ですか?」という質問をよく受けるようになりました。そろそろ多くの方が値段の安さだけでなく、環境付加価値のある電力への切り替えを真剣に考え始めている頃ではないでしょうか。
津崎:その波は確実にきています。でも、無関心層はまだ6、7割いるとも言われています。経産省が行った電力小売自由化についてのWEB調査では、電気を選ぶ基準では「料金の安さ」をあげる人が半数近いという結果でした。料金が高い、安いといっても、たくさん電気を使用されるご家庭でない限り、そこまで大きな差は無いんですけどね。
ネクストエナジー・ アンド・リソース株式会社 津崎荘平さん
中多:グリーン電力が持つ環境価値に対してお金を払うのは、日本の未来への投資ではないでしょうか。電力の契約先を変えても、今まで使用している送電網(電力ネットワーク)から家に電気が届くわけで、電力会社やプランによって受け取る電気の品質が違うということはありませんしね。
社会を変えるための、
それぞれの役割
池袋駅前店と静岡駅前店では、店舗オープン時からグリーナでんきを使用している。
津崎: LUSHさんでは従業員1700名の一人ひとりのみなさんが、グリーン電力が持つ環境価値をかなり深く理解されているようですね。
中多:はい。グリーン電力について社内で勉強会を数回に渡って開いておりますし、店舗の電力をネクストエナジーさんの電力に変えてから、該当店舗のスタッフの意識がさらに高まりました。店頭でお客様と会話をする際に、電力を使っている従業員がしっかり説明できなくてはいけませんからね。私たちは企業という特性上、一般の消費者の方々よりも情報が集めやすい立場におります。グリーン電力の価値についてもお客様とシェアし、自然エネルギー普及に貢献していくことが私たちのミッションです。
津崎:素晴らしいですね。私たちはGREENaのサービスをより向上させることで、グリーン電力を選ぶことが当たり前の社会にしていきたいと思います。
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