「食」との距離が近くなる。野望あふれる農家レストラン
2016/05/30
神奈川県葉山の海岸からもほど近い横須賀市芦名の「SYOKU-YABO(ショクヤボ)農園」。「食」と「野望」というキーワードを冠したこの名前からもただならぬ雰囲気が感じられる。
横須賀 SYOKU-YABO農園
『「食」とはファッションではない。「食」とは人間が生きていくための〝糧〞であり〝芸術〞であり〝喜び〞なのだ』。農園のこのようなコンセプトは、食べることの大切さを改めて私たちに伝え、ハッとさせてくれる。今回は農園の名物「かてめし定食」をいただくことにしよう。
夏場にはインゲン、トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、スイスチャードといったさまざまな野菜たちを同時に育て、採れた旬のものでメニューを決めて、訪れたお客さまに提供している。
「お米以外は自分たちで育てた食材を使い、料理も自分たちで作っています。自分がかつて日本各地を旅してまわったときに出会った、今となっては珍しい日本各地の伝統的な調味料たちの魅力を伝えていく意味も込めたメニューになっています」と話してくださったのは、農園代表の眞中やすさん。
人気のランチメニュー「かてめし定食」のお味噌汁は、なんと全国各地の34種類のお味噌から好みのものを選んで注文することができる。採れたての野菜の味覚はもちろん、普段は何気なく味わっている調味料たちの驚くほどのパワーに圧倒されること間違いなし。農園の景色を眺めながら、園内どこでも好きな場所で食事をいただける贅沢な環境は、子供と一緒に楽しめば、また格別なものとなるだろう。
今年で5周年を迎える(※記事掲載時)SYOKU-YABO農園だが、元々は耕作放棄地だったところを眞中さんが譲り受け、開墾しながら徐々に広げてきた場所だ。今では畑担当、料理担当などの仲間が増えてきている。
「何が正解かはわからないので、現在進行形でいろいろと挑戦してみているという感じです。ここで畑をやっていると、農法を近隣からいろいろと教えてもらえることが多くて……」(畑担当の松村さん)。
園内には、農業や食べ物に関する知識を学べる工夫もさまざま。ぜひ農園で採れた野菜をその場で味わいに、横須賀を訪れてみてはいかがだろう。
SYOKU-YABO農園
神奈川県横須賀市芦名2丁目1700
090-8879-1931
営業:昼飯:11:30~15:00 夜飯:18:00~21:00 (金・土・日・祝日のみ)
定休日無し、雨の日はお休み
http://syoku-yabo.com/
取材・文/鈴木絵美里 写真/藤記美帆