東日本大震災をきっかけに始まった農家とシェフの語
2017/08/01
そんな2人は現在、一般社団法人「いわき6次化協議会」を立ち上げ、「いわき”食Labo”プロジェクト」を推進し始めている。この6次化の芽は、間違いなく2人の秘密基地から生まれたのだ。
「いろいろな土地の”愛情”を、料理という”情報”にすると”愛”も一緒に乗せていけると気付きました。それはまさにいわきという土地の絆そのものだなあと思っています」。
東日本大震災をきっかけに生産者と料理人が出会ったことで生まれた新たな食の息吹。高品質な食体験への萩さんと白石さんの挑戦は力強く続いていく。萩さんの味覚や、現在の1日1組のみのお迎えというレストランのあり方は、お母さんの料理方法に原体験があるという。
「祖母が野菜を作り、常に新鮮な野菜が手に入ったからというのもあると思いますが、母はあらゆる食材を茹でおくことがなかった。僕たちを食卓につかせてから調理を始める。いつでも本当の意味で”できたて”にこだわる母でした」。
生産者のところへ学びに行った際に出してもらった料理に、かつて自分が大好きだったそんな母の味を見出した。
「野菜というのは時空間を超えた価値を感じさせてくれるものでもありますから。生産者さんが6ヶ月ほどかけて育てた野菜を、採れたての新鮮さのある短い時間のうちに味わっていただくという贅沢。ここには”あなただけのために”という思いも乗せてお届けしたいです」。
レストランHagiではもちろん、白石さんの畑で採れた新鮮野菜たちも味わえる。農家とシェフが作り出す美味しい仕掛けを体感しに、一度Hagiを訪れてみては。
Hagiフランス料理店
〒973-8409
福島県いわき市内郷御台境鬼越171-10
TEL: 0246-26-5174
営業時間(完全予約制)
昼 12:00~ (ラストオーダー13:00)
夜 18:00~ (ラストオーダー20:00)
text: emiri suzuki
EARTH JOURNAL vol.04(2017年春号)より転載