社会・環境

オーガニックコットンで起業。その成功の秘訣って?

〝安ければいい〟ではなく
適正価格を理解してもらう

S もっと普及していくために、どのようなことが必要ですか?

M コットン製品をつくる側、売る側の意識が変わることです。コットンは一般的にナチュラルなイメージが強いですが、実はたくさんの農薬が使われているということを知ってほしいですね。オーガニックコットンを使っても見た目は変わらないのだから、デザインはそのままで素材だけ替えてくれればいいのではないかと。

S 色味やデザインが制限されないのなら、オーガニックコットンを取り入れる際のハードルはコストの面が大きいのでしょうか?

M 適正価格を理解してもらう必要があると思います。安いものには安いだけの理由があります。オーガニックコットンを丁寧に栽培して生地を編んだり織ったりする。そのときどきで関わる人に適正な賃金を支払うと、こうなりますという対価なんです。価格の意味をきちんと理解してもらえば、選ばれる素材だと思っています。

S オーガニックコットンは「高い」というイメージを持たれがちですが、そうではなく、それが「正しい価格」なんですね。商品の価値観の転換でもありますよね。

M 商品を売る人が、安くなくても売るっていう勉強をするのも大切です。たとえば、発注がきたときに商品の値段がすでに決まっていることも多いんです。いわゆる上代といって、3000円で売るっていうところから話がスタートしているので、生産者にしわ寄せが来るんですよね。売る人は安いほうが売りやすいから。そういった全体の売り方が変わるといいなと思います。売る側も、消費者も、変わらないとダメですよね。

S 製品ラインナップに10%ずつオーガニックを入れる取り組みをしている会社もあるそうですが、そういった動きについてはどう思いますか?

M 正しい表記をして売る分には問題ないと思います。オーガニックコットンを扱おうとする人たちって、〝最初から100%にしなければダメ〞と思っている人が多いんですが、使っているコットンの10%でも20%でもオーガニックコットンを採用してくれたらいいんですね。そして消費者がお店で購入する際に、オーガニック100%と勘違いしない売られ方がされることが大事です。

123

関連記事

2016/03/28 | 編集部からのお知らせ, | エネ活・最新技術

オーガニック石鹸で人気のLUSHの再エネ活動!

アクセスランキング

  1. 初めての家庭菜園、ミントを育ててモヒートを作ろう
  2. 2050年は江戸時代?未来に生きるための農業の在り方。
  3. 自然の恵みを感じよう! 森の中で楽しく暮らすコツ
  4. 全米が注目!最新農業都市モデル「アグリフッド」
  5. 領土問題の解決法!?「積極的平和」でピース実現!
  6. 憧れの田舎暮らし! 移住体験ができる人気宿7選!
  7. 陸上養殖の搬送に最適! 「圧力用高密度ポリエチレン管」の強みとは?
  8. “社会と教育”を鋭い切り口で語る! 第1回『SDGs LIVE』イベントレポート...
  9. ベランダでできるエディブルガーデンのはじめ方
  10. 半農半X――加藤登紀子とYaeの生き方
SDGsTV 緑のgoo

雑誌

「EARTH JOURNAL」

vol.06 / ¥1000
2018.11.30 発売

お詫びと訂正