地方・移住・旅

2050年までに電力自給率100%! 檮原町の課題は?

檮原町は”雲の上のスマートシティ”への道を歩み出している。止みかけた風は、また吹くのか……。共存や持続可能性といった、今の時代の切迫した課題に応える町の取り組みを紹介する。

檮原町オリジナルの
“スマート”を築いていく

四国カルストに吹く風を捉える2基の風車は、年平均3500万円の売電益を生み出している。町を囲む森林整備や太陽光パネルの普及に活用されている収入源だ。町を流れる檮原川には小水力発電所があり、地元の中学校や街路灯に電気を供給している。他に先駆けて、1999年よりエネルギーの地産地消を進めるこの町は、2050年までに電力自給率100%を目指す(現時点では、28.5%)。

ただ、単に”地方の新エネルギーの先駆者”という枠に檮原町が納まってしまうのは、もったいない。森林と四万十川を頼りに、1100年の歴史を刻んできた檮原の人たち。町のエネルギービジョン、ならびに町づくりのコンセプトは、そうした純山村ならではの、「森と水と共にある文化構想が基盤になっている」。「自然から戴いたものは、自然にお返しする」「川の流れや風に、生かされている」など、かつて日本に住む多くの人が持っていた生々流転の感覚、「人も自然の一部」という世界観・美意識が大切にされている。

一方で、町の老若男女を募り、海外へ視察に出すなど “外”での動きや多様な視点を取り入れ、新しいものを生み出すことにも積極的に取り組んできた。ユニークな町の景観は、そんな”粋な”姿勢のあらわれ。

町内産材の杉と檜をふんだんに使い、機能性にも優れた町役場やホテルをはじめ、町全体の佇まいは、近代的に洗練されていながらも、まわりの自然環境にセンスよく溶け込んでいる。情緒溢れる”昔ながらの最先端”、アバンギャルド。そう、この町が凄いのは、受け継がれてきた文化や技法と最新の考えや技術を柔らかく融合して、檮原町オリジナルの”スマート”を築いているところだ。

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「EARTH JOURNAL」

vol.05 / ¥500
2017年9月30日発行

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