メガソーラーがムラを救う! 農地再生プロジェクト
2017/11/28
創設から3年、
10ヶ所超の実績とノウハウを注ぎ込む
市民エネルギーちばでは、匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所を手掛ける3年前、2014年から、地域内で中小規模のソーラーシェアリングを行ってきた。
同社の指導を受けて誕生した他事業者の設備も合わせると、ここには現在、12ヶ所ものソーラーシェアリングが存在する。そのどれもが地域の農業と共存し、美しく環境に調和している。今回のメガソーラープロジェクトには、こうした実績を通して培った幅広いノウハウが活かされているのだ。
設備容量30kW 、2014年9月、売電開始。これが、市民エネルギーちばのソーラーシェアリング第一号機だ。市民出資によるパネルオーナー制度を導入し、土地を持たない人でもソーラーシェアリングに参加できるようにした。
太陽光パネルの裏には、それぞれのオーナー名が記されている。パネル1枚25000円で購入すれば、売電収益から毎年利益が還元される。
成功事例の確立が使命
真に豊かな地域を目指して
椿さんは、この取り組みを、自分たちの使命だという。
「耕作放棄地が拡大してしまうのは、採算性が悪くて、農業を続けたくても続けられない農家が多いから。ソーラーシェアリングによる売電で安定収入を得ることができれば、状況は変わってきます。耕作放棄地も少しずつ減少していくでしょう。私たちは、まず、そういう具体的な事実をつくりたい。今まで放棄され、将来の見通しが立たなかった土地を再生させることができれば、地域は必ず良くなります。そして、そういう事実は、全国に拡がっていくだろうと思うのです。だから、とにかく、成功という事実を揺るぎないものにすることこそ、私たちの使命だと考えています」(椿さん)。
そして、東さんは、ソーラーシェアリングをベースにした22世紀のムラに想いを馳せる。
「ソーラーシェアリングに興味をもって、多くの人々が訪ねてきてくれます。県外から移り住む人も増えてきました。これからは、この地をより魅力的な場所にしていけるよう受け入れ態勢を整え、来た人に喜んでいただける加工品もつくっていきたい。ソーラーシェアリングの麦からできたビールなど、新しい特産品が生まれる予定です。そして、食とエネルギーの自給自足ができ、健やかな環境と心豊かな文化が息づく、次世代のムラづくりをしたたかに実現できたらと思っています」(東さん)。
ソーラーシェアリングの郷・匝瑳からは、これからも目が離せそうにない。